
3月も1週間が過ぎようとしています。
いま、引越しシーズン真っ只中、不動産仲介業者ではまさに"繁忙期"です。
おかげさまで、当社も多くのお問い合わせをいただいております。
進学、新社会人、転勤・・・
多くの方がこの時期に新たな住まいを探し、引越しをします。
みなさん良い部屋を求めてポータルサイトや不動産屋さんでお部屋探しをするわけですが、一気に集中するため昨日空室だったお部屋が今日はもう無い。ということが当たり前のようにあります。
まさに"奪い合い"といった様相を呈するわけです。
当然、契約を取りたい不動産屋さんは、お客様を煽ります。
「今日申込しないと無くなっちゃいますよ!」
と。
営業文句のように感じるかもしれませんが、あながち嘘でもないのが現実です。
また、この時期は退去と入居が入り乱れます。
前の入居者の退去から、新しい入居者の入居までのおおまかなスケジュールは、
◎前の入居者:退去予告(退去日の1ヶ月程度前)
↓
◎不動産会社(管理会社):退去前に新しい入居者の募集開始
↓
◎新しい入居者:退去前のため内見せずに申込・契約
↓
◎前の入居者:退去
↓
◎不動産会社(管理会社):室内のクリーニング・リフォーム実施
↓
◎新しい入居者:入居開始
ざっとこんな感じです。
ちょっと違和感ありませんか?
そう、「内見せずに」契約しているのです。
もちろん、全ての契約がそうではありません。
しかし、この時期は特にこの『未内見契約(先行契約)』が多くなる傾向にあります。
不動産屋がそう促します。
なぜなら、契約を取りたいから・・・。
入居者も、良い部屋を契約できたと信じて満足します。
その時は・・・。
しかし、この「未内見契約」が入居者を苦しめることにもなります。
実際のお部屋を内覧できないため、不動産屋やポータルサイトから提供される資料や写真を確認するしか判断材料はなく(同タイプ別住戸を確認することもあります)、間取りも内装も設備も"良さそう"といった感覚で契約をしてしまいます。
その後、実際に引越しをしてみると、
「部屋の広さがイメージと違った」
「設備が写真と違うものだった」
「なんか異臭がする」
などの、内覧しなければわからなかったことが必ずといっていいほど出てきます。
もっとひどい状況ですと、
前の入居者が退去してから、必要な現状回復(クリーニング・修繕など)がされておらずひどい室内状況のまま暮らさなければならないということも実際にありました。
これは、退去前に次の入居者が決まっているということが大きく影響しているものと考えられます。
これも、未内見契約の落とし穴と言えます。
つまり、引越してすぐに、「不満」が出てくるのです。
では、そのような状況に陥ってしまった場合、契約を解除できないのか?
『未内覧承諾書』
内見せずに契約する際、このような類の書面に署名捺印を求めらることが多いです。
これは何かというと、「内見をせずに契約することを私は承諾しました。どんなに気に入らない部屋だったとしても、契約を解除(取り消し)することはできません。引越しをしたければ通常の解約手続きを取ってくださいね。」という大変重要な書面です。
仕方なく通常の解約手続きをする場合、
支払った礼金や鍵交換代金などは返還されませんし、契約内容によっては短期解約違約金やクリーニング費用といった金銭を支払わなければならないケースもあります。
当然、新たなお部屋に引越す際は、初期費用が掛かりますし引越し費用も掛かります。
想像しただけで地獄ですよね・・・。
当社では、よほどの理由がない限り未内見での契約は行いません。
良い部屋で暮らしたいという思いは当然ですし、そうあって欲しいと願い全力でお手伝いをしています。
是非、ご自身の五感でしっかり確認してお選びいただければと思います。
不安な点があればいつでもご相談ください。